タイで生活していると、いろんな場面でチップを渡す機会があります。
最初は私も「いくら渡せばいいの?」「渡し方は?」と戸惑いました。
日本ではチップ文化がないので、ちょっと緊張しますよね。
でも、慣れてくると、タイの人たちのあたたかさに触れながら、気持ちよくチップを渡すコツがつかめてきます。
この記事では、私自身の体験を交えながら、タイでチップを渡すときの注意点をまとめました。
初めてタイを訪れる方や、まだチップ文化に不慣れな方にもわかりやすくお伝えします。
タイのお金は紙幣と硬貨の2種類
タイのお金「バーツ(Baht)」には、大きく分けて紙幣と硬貨の2種類があります。
補助通貨として「サタン(Satang)」もありますが、実際に街で使う機会はあまりありません。
私自身、タイに住み始めてから一度だけ、スーパーで1サタン(=0.01バーツ)のお釣りをもらったことがありますが、その後はほとんど見ることがありませんでした。
見やすくて覚えやすい紙幣の種類
タイの紙幣は色分けされていてとても見やすいです。
最初は慣れませんでしたが、色で覚えるとすぐに見分けがつくようになりました。
紙幣は次の5種類があります。
- 1,000バーツ(約3,800円):紫色
- 500バーツ(約1,900円):濃いピンク(茶色っぽく見えることも)
- 100バーツ(約380円):赤色
- 50バーツ(約190円):青色
- 20バーツ(約75円):緑色
レートは変動しますが、1バーツはだいたい3.8円〜4円程度で考えるとイメージしやすいです。
私が最初に街中で買い物をしたとき、100バーツ札を出したらお釣りがすべて硬貨で返ってきて驚いたのを覚えています。
それからは、支払うときに金額や紙幣の種類をよく考えるようになりました。
チップでよく使う紙幣
タイではチップの習慣があり、特にホテルやマッサージ店、タクシーなどで渡すことが一般的です。
チップの相場は20〜100バーツ程度が多く、以下の紙幣が重宝されます。
- 100バーツ(赤色)
- 50バーツ(青色)
- 20バーツ(緑色)
逆に、1,000バーツ札でチップを渡すのはやりすぎなので注意してくださいね。
私がタイに来たばかりの頃、マッサージ店でチップを渡そうとして1,000バーツしか持っていなかったとき、店員さんがとても困った顔をしていたのが印象的でした。
それ以来、私は常に20バーツ札を2〜3枚財布に入れておくようにしています。
両替のポイントと注意点
両替のとき、よくあるのが「高額紙幣ばかりもらってしまう」ことです。
特に空港の両替所では、1,000バーツ札で渡されることが多く、これが後々困ることになります。
実際、私も空港で両替してからそのまま屋台でパッタイを買おうとしたとき、1,000バーツ札を出したら店員さんが明らかに困っていて、隣の屋台まで行って両替してくれたことがありました。
その姿を見て申し訳なくなり、それからはできるだけ高額紙幣を少額に崩すように心がけています。
おすすめの方法は、ホテル、コンビニ、レストランなどで1,000バーツ札を使って、細かいお釣りをもらうことです。
私もこの方法を取り入れてから、スムーズに支払いができるようになりました。
タイの硬貨の種類と使いどころ
次に硬貨についてですが、タイでは以下の硬貨が主に使われています。
- 10バーツ
- 5バーツ
- 2バーツ
- 1バーツ
私は、特に公共交通機関を使うときに硬貨がとても役に立ちました。
例えば、BTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)の券売機では、お札が使えない機械もあり、硬貨が必要になる場面が多いです。
中でも10バーツ硬貨は使いやすく、重宝します。
それから、公共のトイレも有料のところが多く、3〜5バーツの支払いが求められます。
5バーツ硬貨や1バーツ硬貨を持っていると安心です。
ただし、1バーツと2バーツの大きさがとても似ていて間違えやすいので注意が必要です。
私も一度、トイレの使用料として2バーツ硬貨を5枚出してしまい、「多すぎるよ」と笑われたことがあります。
それ以来、財布の中で硬貨の区別をしっかりつけるようになりました。
硬貨のチップはマナー違反?
ここでひとつ、覚えておきたいマナーがあります。
タイでは基本的に硬貨でチップを渡すのはマナー違反とされています。
もちろん、絶対にダメというわけではありませんが、失礼にあたると感じる人もいるため、なるべく紙幣で渡すのが安心です。
特に観光地やホテルではこの点に敏感な方も多いので、私もチップを渡すときは紙幣にしています。
チップは「気持ち」が一番大事
タイでチップを渡すときに一番大切なのは、金額よりも「ありがとう」の気持ちです。
ただお金を手渡すだけではなく、笑顔と感謝の言葉を添えるだけで、受け取る側もぐっと気持ちよくなります。
私がホテルで荷物を運んでもらったとき、20バーツ札を渡しながら「コップンカップ!(ありがとう)」と伝えたら、ポーターの男性がパッと笑顔になって「マイペンライ(どういたしまして)」と返してくれたんです。
お互いにいい気分になれて、ちょっとした交流が生まれる瞬間でした。
女性の場合は「コップンカー」と言うと丁寧ですよ。
言葉が苦手でも、ニコッと笑って渡すだけでちゃんと伝わります。
チップの相場を知っておこう
タイでは「絶対にチップを渡さないといけない」というルールはありませんが、渡すことで感謝の気持ちを示すことができます。
ただし、あまりにも少額だったり、多すぎたりすると、かえって相手に気を使わせたり、失礼に感じられることもあります。
私の経験上、以下のような相場が一般的です。
- ホテルのポーター:20〜50バーツ
- ハウスキーピング(清掃スタッフ):20バーツ(枕元に置いておく)
- レストラン:食事代の5〜10%程度
- マッサージ:料金の10〜20%程度
- タクシー:お釣りをチップとして渡す(端数分)
例えば、500バーツの食事なら50バーツくらいがちょうど良いと思います。
250バーツのマッサージなら、20〜50バーツくらい渡せば喜ばれます。
チップを渡しすぎるのも考えもの
逆に、気を使いすぎて「渡しすぎる」のも注意が必要です。
高級ホテルやレストランでは、サービス料(10%前後)がすでに含まれていることが多く、追加でチップを渡す必要がないケースもあります。
私は以前、ある高級レストランで100バーツを渡したところ、スタッフがちょっと驚いた表情をしたんです。
「やりすぎたかな?」と少し後悔しました。
それからは、相場を意識して適度な額を渡すようにしています。
もし迷ったら「食事代の10%以内」と覚えておけば、大きく外すことはないと思います。
チップを断られたら無理に渡さない
タイでは、日本人観光客に慣れている場所や高級な施設では、チップを断られることもあります。
たとえば、高級ホテルのスタッフや、日系のレストランなどでは、「お代にサービス料が含まれています」と言われることがあります。
タクシーでも、お釣りを「どうぞ」と返されたときは、「チップはいいですよ」というサインかもしれません。
そんなときは無理に押し付けず、素直に受け取るのがスマートな対応です。
私も最初は「なんで受け取ってくれないの?」と戸惑ったことがありましたが、今では「気持ちは伝わっているから大丈夫」と思うようにしています。
ホテルでのチップ相場
タイのホテルでは、サービスに対してチップを渡すのが一般的です。
特に高級ホテルでは、スタッフがとても丁寧に対応してくれます。
ベルボーイが荷物を部屋まで運んでくれたときは、私はいつも20バーツ(約70円)を渡しています。
ちょっとした額ですが、「ありがとうございます」と一言添えて渡すと、笑顔で「コップンカー(ありがとう)」と返してくれます。
部屋まで案内してくれるスタッフにも同様に20バーツを渡すのが目安です。
清掃スタッフへのチップは、ホテルのランクによって少し変わります。
私が泊まったことのあるホテルでは、1泊2,000バーツ以下なら50バーツ(約175円)、2,000〜6,000バーツなら50〜100バーツ、6,000バーツ以上の高級ホテルでは100バーツくらいが相場でした。
ただし、高級ホテルではすでにサービス料が料金に含まれている場合もあるので、その場合は無理に渡す必要はありません。
私はそれでも気持ちよく過ごせたと感じたときは、少しでも感謝を伝えるようにしています。
スパ・マッサージでのチップ相場
タイで生活していると、マッサージやスパに行く機会が本当に多いです。
特にバンコクには、街角にたくさんのマッサージ店が並んでいて、1時間250〜300バーツ(約875〜1,050円)という安さで本格的な施術が受けられます。
私も肩こりがひどい時によく通っていて、終わった後は本当にスッキリします。
チップの相場は1時間のマッサージで50バーツ(約175円)ほどです。
特に満足したときには100バーツ(約350円)渡すこともあります。
「ありがとう、助かりました」と声をかけながら渡すと、セラピストさんもにっこり笑ってくれます。
もちろん、満足できなかったときや施術が雑だった場合には、無理にチップを渡す必要はありません。
タイでは、サービスの質に応じてチップを調整するのが普通です。
ゴルフ場でのチップ相場
タイはゴルフ天国とも言われるほど、ゴルフ場が多くあります。
私もゴルフが好きなので、タイに来てから何度もプレーしました。
タイのゴルフ場では、1人のプレーヤーに1人のキャディーがついてくれます。
暑い中でも一緒に回ってくれて、クラブを運んでくれたり、グリーンの傾斜を教えてくれたりと、本当に頼りになる存在です。
プレーが終わった後には、キャディーに直接チップを渡します。
相場は300〜500バーツ(約1,050〜1,750円)くらいです。
ある日、とても気が利くキャディーさんに出会ったことがあり、普段より多めの700バーツを渡したら、すごく喜んでくれました。
次回もその方を指名できるようお願いしておいたほどです。
逆に、やる気のない態度だった場合は、少なめにするか渡さないこともあります。
バーやナイトクラブでのチップ相場
バンコクの夜はとても活気があります。
バーやナイトクラブに行くと、チップの渡し方でその夜の過ごし方が変わることもあります。
混んでいるときにスムーズにドリンクを出してもらいたい時は、最初にバーテンダーに50バーツ(約175円)渡すのが効果的です。
一度それをやったら、注文したドリンクが他のお客さんより早く出てきたことがあり、驚きました。
ドリンク1杯につき20〜50バーツが相場です。
テーブル席を利用してウェイターがサービスしてくれる場合は、会計時に100バーツ程度渡すといい印象を持たれます。
VIP席や専属スタッフがつく場合には200バーツ以上渡すと、さらに丁寧なサービスを受けられます。
私は特別な夜を過ごしたいときは、少し多めに渡して気持ちよく楽しんでいます。
タクシーでのチップ相場と注意点
タイのタクシーは基本的にメーター料金を支払うだけで大丈夫です。
最初の頃はチップをどうするか迷っていましたが、今ではメーター通りで十分だとわかりました。
ただし、料金が46バーツなど中途半端な数字になるときは、私は50バーツを渡して「お釣りはいいですよ」と言うようにしています。
タイの人たちはとても親切で、43バーツの時には「40バーツでいいよ」と言ってくれることもあります。
以前、重い荷物をトランクまで運んでくれた運転手さんがいて、その時は感謝の気持ちを込めて多めに渡しました。
すると、満面の笑顔で「サンキュー!」と言ってくれて、私も嬉しくなりました。
ただし、観光地ではメーターを使わずに高額請求してくるタクシーもあります。
私も一度、そういう運転手に当たったことがあり、「メーターを使ってください」と冷静に伝えたら、すぐに使ってくれました。
また、空港からタクシーを利用する場合は、メーター料金に加えて空港使用料50バーツがかかるので注意が必要です。
さらに、高速道路を使う場合は高速料金も追加で支払うことになります。
事前にドライバーに「ハイウェイ使う?」と確認しておくと安心です。
最後に
タイではチップは強制ではありません。
でも、いいサービスを受けた時には、その気持ちに応える形でチップを渡すことで、より良い関係が築けると私は思います。
金額はそれほど高くなくても、「ありがとう」の気持ちを伝えることで、相手の表情がパッと明るくなるのを見ると、こちらも嬉しくなります。
最初は緊張するかもしれませんが、何度か経験すれば自然にできるようになります。
タイでのチップ文化に触れることも、旅や生活の素敵な思い出の一つになりますよ。